期待高まる新名物!フレッシュで香り高い宮津産「オリーブ」
自然豊かな宮津の風景に溶け込んで、あちこちで風に揺れるオリーブの樹々。近年、宮津の新しい名物として、オリーブの人気がどんどん高まっています。海辺で育つフレッシュなオリーブの魅力をご紹介します!
日本海側の畑で育つ、稀有なオリーブ
近年、宮津で栽培の勢いを増しているオリーブ。海の近くや山裾、田園の一角など様々な場所にどこか異国情緒を感じさせるオリーブ畑が点在し、各地に愛らしいロケーションを創り出しています。しかし、温暖な気候の中で育つイメージのあるオリーブが、日本海に面した宮津で栽培されているとはちょっと意外ですよね。そのきっかけとなったのは、耕作放棄地の増加と、市の働きかけでした。
近年宮津市では高齢化などの影響で、作物を作らなくなった農地が増加。田畑を有効活用したいと考えていた市民たちに市が提案したのが、寿命が長く比較的丈夫で、獣による被害にも遭いづらいオリーブでした。宮津の気候風土で無事に育つのかと不安を抱えつつも、2012(平成25)年に由良地区が栽培に挑戦開始。その後すぐに、日置地区や世屋地区、府中地区といった他の地区でも栽培が始まり、今では栽培面積も収穫量も年々増加しています。今回はそんな宮津のオリーブ栽培について、「由良オリーブを育てる会」の藤本さんと「日置・世屋オリーブを育てる会」の瀬戸さんが教えてくれました。
経験ゼロから挑んだオリーブ栽培
お二方ともオリーブを栽培するのは初めてとのこと。ノウハウがないところからのスタートは、苦労もたくさんあったと言います。「水捌けが一番の問題でした。根腐りしないよう畑に水路を作ってみたり、試行錯誤しましたよ」と瀬戸さん。時には多くの苗木が枯れてしまうこともあったそう。そんな中でも市の支援を受けながら、イタリアなど国内外のオリーブ栽培の先進地から指導者を招いたり、オリーブ栽培が盛んな小豆島へ研修に行ったりと、意欲的にノウハウを習得。ミカンや柿などの果実栽培の経験も手伝って、宮津にオリーブ作りが定着していきました。「由良地区では約250本の苗木からスタートし、今では約2000本に。生産者も増え、オリーブ栽培を目当てに移住してくる人までいるほど。確実に根付き始めています」と藤本さん。
オリーブを使った商品が続々!新商品にもご期待を
オリーブの収穫時期は毎年11月頃。多くの人がボランティアに訪れ、地元の小中学生たちも参加して収穫したオリーブは、各地区で加工されます。オリーブの味は時間との勝負。収穫後はすぐに加工し、新鮮さをキープします。
由良地区では一早く商品化を実現し、今ではオリーブオイルをはじめ、オリーブの新漬けやオリーブ茶などを販売。日置地区でも、商品化に向けて準備の真っ最中。今後各地区から、続々と新商品が誕生する予感です。
絶品!一度食べたら忘れられないフレッシュさ
生産者の皆さんは「宮津のオリーブを食べたら、みんな驚くよ」と口を揃えます。そして実際に食べてみると、そのフレッシュさにびっくり。オイルのイメージが先行してつい忘れがちですが、オリーブも果実、つまりはフルーツであるということを再認識させてくれるようなフルーティーな味わいです。
中でも新鮮さを実感しやすいのがオリーブオイル。由良地区には宮津で唯一の搾油機があり、各地区で収穫したオリーブはここでその日のうちに搾油。フレッシュさをキープしたままのオリーブオイルの味わいは格別! 調理に使ったりパンにつけたりするのはもちろん、フルーツや卵かけご飯にかけるのもオススメだそう。新鮮、だからこそ、オイルそのものの美味しさが際立つ食べ方ができるのですね。ほか、新漬けを刻んで混ぜご飯に入れるなど、様々なアレンジメニューが楽しめます。
オリーブが繋ぐ、宮津の未来
それぞれの地区が協力し合いながら切磋琢磨している宮津のオリーブ栽培。共通しているのは、より質の高いオリーブをたくさん作りたいという目標です。「宮津は京阪神に近く、近隣に競合エリアもないため、様々な販路を切り開く可能性を秘めていると期待しています。今後はスキンケアグッズなども作れたら」と藤本さん。そして「オリーブをきっかけに日置地区、そして宮津市の魅力を知ってくれる人が増えたり、栽培に興味を持った人が移住してきてくれたりと、オリーブを通して新しい出会いがあるのが何よりワクワクします。宮津の新しい産業として根付いて欲しい」と瀬戸さん。
まだまだ進化を遂げそうな宮津のオリーブ。次の収穫が待ち遠しいですね。
<データ>
由良オリーブ工房
京都府宮津市石浦596
TEL:080-9301-7890
営業時間:9:00〜18:00 ※スタッフが常駐していないこともあります。訪問の際は事前連絡要
定休日:不定休
交通アクセス:京都縦貫自動車道「舞鶴大江IC」から車で約20分
ホームページ https://www.yura-olive.com
Instagram https://www.instagram.com/yuraoli/
Twitter https://twitter.com/yuraolive
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