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【天橋立#13】「宮津湾」と「モン・サン=ミシェル湾」は“姉妹湾”だって知ってた?

日本三景のひとつ「天橋立」。奇跡の絶景として古代より人々の心を魅了し続けてきた“謎多き天橋立”の魅力を連載記事で紐解きます。……と、始まるのがこのシリーズお決まりのフレーズですが、第13回は天橋立から視線を東側に向けた「宮津湾」についてのお話。
宮津といえば、注目の多くは「天橋立」に注がれがちですが、実は「宮津湾」もその美しさが認められ、2018年より美人姉妹ならぬ美“湾”姉妹が存在するのはご存知でしょうか?

きっかけは「世界で最も美しい湾クラブ」への加盟から

そもそも「世界で最も美しい湾クラブ」って何?と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか? まずはそこからご説明。
「世界で最も美しい湾クラブ」とは、1997年に設立された27の国と地域、44湾(2018年10月時点)からなる、フランス・ヴァンヌ市に本部を置くNGO団体(非政府組織による地球規模での問題解決に取り組む民間団体)です。

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“湾”の自然環境や景観の保全、観光振興及び地域経済の発展を目的としており、フランスのモン・サン=ミシェル湾やベトナムのハロン湾など、世界遺産にも登録されている湾をはじめ、日本では現在、5湾(松島湾/富山湾/宮津湾・伊根湾/駿河湾/九十九島湾)が加盟しています。

宮津湾・伊根湾の加盟は2016年。加盟基準である「保護政策の対象、興味深い動植物の生息・自生、地域住民にとって象徴的存在、ユネスコの文化遺産・自然遺産の価値的認識を持つ」ことに加え、景観の類い稀な美しさに高い評価を受けたことにあります。現在は京都宮津湾・伊根湾クラブを設立(2017年)し、保護活動と共に、宮津湾・伊根湾の魅力を国内外に広く発信する活動を行っております。

世界遺産の先輩…いや、ここはあえて“お姉様”と呼びたい!「モン・サン=ミシェル湾」

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では、なぜ「モン・サン=ミシェル湾」と姉妹提携を結ぶことになったか? それは「海渡る参道」というキーワードにあります。
宮津湾には元伊勢籠神社や成相寺、智恩寺など、湾周辺の聖地へ向かう「天橋立」があり、モン・サン=ミシェル湾にはカトリックの巡礼地のひとつである「モン・サン=ミシェル」があります。
それぞれの祈りの場所へ向かうための「海渡る参道」という共通のロケーションを持つことから、宮津湾・伊根湾が加盟当初よりモン・サン=ミシェル湾に観光協力及び交流の働きかけを行っていたことによって、2018年に姉妹湾として提携することになりました。

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提携を結ぶ際には、実際にモン・サン=ミシェル湾のクラブ代表が宮津湾・伊根湾を訪れ、天橋立の松並木の散策や、伊根湾を巡り舟屋群を見学されるなど、宮津湾・伊根湾の魅力を体感されました。もちろん、120年の歴史を誇る天橋立名物「股のぞき」も体験済み。きっと空と海が反転する展望スタイルには思わず頭がクラクラされたはず…。立ちくらみではなく、天橋立の美しい“天に架かる橋”の姿に見とれてですよ。

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以前より世界遺産登録へ向けて活動を行っていた天橋立ですが、モン・サン=ミシェル湾と姉妹湾提携を結んだことにより、世界遺産として高い知名度を誇る“お姉様”に登録に向けてのアドバイスを受けつつ、活動が進められています。

目指すは「世界遺産」登録の実現!! だからこそ、今、この時に

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日本三景と称される天橋立。四季折々に変わる表情は、宮津湾の美しさと相まって、時に息を飲むほどの美しさを見せてくれます。
はるか昔から先人たちが和歌や絵画に残さずにはいられかったほどの美しさを、今もなお、私たちが目にすることができるのは、それを守り、伝える人たちがいてくれたからです。

そして今、この美しさを世界に伝えようとする京都宮津湾・伊根湾クラブによる活動は、天橋立と宮津湾の美しさを、更に未来へ繋ぐことであり、地球環境を守ることでもあります。
天橋立とともに宮津湾を守りたいという思いも、美しいと思う感動の心も、人から人へと伝えられてきたもの。
まずは“ここが美しい”ということを、誰かに伝えていきたいと思わずにはいられません。