地元名物が勢揃い!「漁師町ととまーと」ってこんなとこ
京都縦貫自動車道・宮津天橋立ICから車で約5分。天橋立へ向かう道中の海側に立つ黒い外観の建物をご存知ですか?
その施設の名前は「漁師町ととまーと」。宮津では魚のことを「ととさん」と呼びますが、宮津をはじめ近隣の漁港で水揚げされた新鮮な魚(とと)が食べられ、さらに丹後エリアのお土産も買える(マート)という、子供から大人まで楽しめる観光商業施設です。
今回は改めて「漁師町ととまーと」の魅力を深掘りしていきます!
江戸時代にはすでにあった宮津市漁師
訪れる前に、少しだけミニ知識です。「漁師町ととまーと」があるのは、宮津市の中心部・浜町地区から国道176号線を少し北へ進んだところにある、宮津市漁師(りょうし)という地区。漁師にあるから「漁師町 ととまーと」なんです。写真はととまーと前の船小屋。ここから毎朝、漁師さんが漁に出向します。
このまちの歴史は正確には分かっていませんが、江戸時代に城下町が整備された頃にはすでに漁師(明治初年まで「猟師」の漢字が充てられていました)というまちがあったといわれています。
ところで、宮津の漁師たちが宮津湾の漁業権を得たのは、宮津を細川家が治めていた戦国時代まで遡ります。慶長5(1600)年、関ヶ原の戦い直前に西軍(石田三成勢)が丹後を襲撃。その時、細川忠興をはじめ重臣らは戦に出ていたため、兵の数が足りませんでした。そこで忠興の父・幽斎は田辺城での籠城を決意。その時、宮津の漁師たちが幽斎を宮津城から田辺城へ無事に送り届け、その褒美として漁業権が与えられたと伝えられます。
そんな歴史ある地名に立つ「漁師町ととまーと」は、どんな施設なのでしょうか……。
「漁師町ととまーと」ってどんな施設?
さて、「漁師町ととまーと」ですが、飲食店や土産屋など6軒のお店が集まって構成されており、宮津・丹後地域の食の魅力を紹介しています。
フードコートになっているので、新鮮な魚介の刺身や七輪焼き、フライに宮津のソウルフードを各店舗で買い求め、中央のテーブルや座敷席で一度に味わうことができるのです。
それぞれがどのようなお店なのか、特徴を伺いました!
漁師町ととまーとを「食べて」楽しむ
① 新鮮な魚介をいろいろな食べ方で楽しむ「レストラン漁連(ぎょれん)」
宮津湾をはじめ府内各漁港から水揚げされた新鮮な魚介で作るさまざまな海鮮料理を提供しています。
丼物が充実しており、一番人気はボリュームたっぷりの「海鮮丼」! 生卵を左にある銀色の大きなスプーンを使って黄身だけにしたら上から醤油を数滴、好みでワサビを溶いてかけてみてください。さらにまろやかな味に変身。違う美味しさが楽しめます。
また、「漬け海鮮丼」(写真)は数量限定なので見つけたら、ぜひ食べてみてくださいね。その他、「ヘシコパスタ」「めかぶおろしそば」「近海魚のフライ」など、とにかくメニューが豊富です。
また、忘れてはいけないのが、宮津市のご当地グルメとして名高い「カレー焼きそば」も食べられることです。スパイシー&ホットなカレー焼きそばは、店舗ごとにレシピが違うことでもおなじみ。
レストラン漁連のカレー焼きそばは、辛めのソースに海老やアサリなどの魚貝の旨味も絡んだ絶品のシーフードカレー焼きそばです。
宮津のソウルヌードル「カレー焼きそば」についてはこちらの記事もチェック▼
② 自慢の一刻干しを炭火で味わう「Kanemasu 7vn(カネマス セブン)」
こちらは明治2年に廻船業として創業した老舗の卸問屋・谷口商店(屋号カネマス)が営む“一刻干し”の店です。一刻干しとは、ノドグロやアジ、アマダイなど丹後で獲れた魚をうす塩で軽く干して作る半生の干物で、同店の名物。柔らかさやしっとり感はたっぷり残しつつ、魚の旨味は凝縮されているという“限りなく生に近い干物”として、近年注目されています。
この一刻干しは、注文が通ってから七輪で焼いてくれます。炭火焼きでいただく焼き立ての一刻干しの美味しさは、格別のものですよ。
他にも、へしこのおにぎりや天橋立ソーセージ、宮津ちくわなど、宮津や丹後の美味しいものもセレクトできます。丹後の地酒も揃っているので、お酒と一緒に最高のアテを楽しむことができます。
宮津の「一刻干し」についてもっと知りたい方はこちらの記事を▼
③宮津を中心とした鮮魚を刺身で堪能「宮魚魚(みやとと)水産」
こちらでは、魚種が豊富な宮津湾を中心に水揚げされた魚を“お刺身”でいただけます。その日の仕入れで内容が変わるので、どんな魚が並ぶかはその季節や水揚げ次第。今日のお魚は何かなぁ……と、ワクワクすること間違いなし!
例えば春~夏なら白イカ(剣先イカ)、初夏はスズキ。夏からはアジや岩ガキ、冬はブリやマグロに加え、カニが並ぶこともあるのだとか。さらにタイミングがよければ、寿司が握られることも!! 刺身以外でも、魚によっては蒸しやボイルなどオススメの食べ方で提供してくれるので、旬な魚を食べたい!とう方は見逃せないお店です。
④スパイシーさがたまらない! 宮津のソウルフード「ととカフェ」
2018年に店主が亡くなり、惜しまれつつ閉店した名店「カレー焼きの店 あかふく」の「カレー焼き」が、あの味を忘れられないさまざまな人の手によって、2021年に奇跡の大復活! 再び、市民懐かしのあの味を楽しむことができるようになりました。
カレー焼きとは、ふかふかの生地の中にキャベツやニンジン、豚バラ肉などをカレールーで絡めた餡を入れて焼いたもの。ちょっぴりスパイシーなカレー餡とほんのり甘い生地が絶妙にマッチし、手がとまらなくなる美味しさです。定番は「カレー」の他、「クリーム」と「あんこ」の3種類。加えてレアチーズやサツマイモ、サイダーなど期間限定の味が登場することもあるそう。
子どもにとっては食べやすく、大人は昔を思い出してちょっぴりセンチメンタルを感じてしまう宮津グルメ、ぜひ味わってみてください。
宮津市民が愛するソウルフード「カレー焼き」奇跡の復活ストーリーはこちらから▼
⑤宮津産のタコがギッシリ!「たこやき鳳(おおとり)」
具は宮津市産の地タコ100%のみ。おなじみのキャベツや紅しょうが、天かすといったたこ焼きの具材は一切入れず、角切りのタコをギッシリ入れて、表面をカリッと焼きあげた逸品。
伊根町の地鶏卵を使った生地には、出汁とともにタコの旨みが染み出て旨さ倍増。噛めば噛むほど味がでる地タコの弾力もまた美味しさの次元をもう一段階回引き上げてくれます。
上にかけるソースは定番のソースマヨ、生地の旨みを堪能できるしおマヨなど、数種類の中から選ぶことができるので、自分好みの味を見つけてくださいね。
これだけでも十分魅力的ですが、もっとご当地らしいタコ焼きを食べたい!と言う方は、ととまーと店限定の「へしこマヨ」はいかがでしょう。へしこを燻製にしてフレーク状にし、上からトッピング。アクセントとなるへしこがマヨネーズと合わさると、まろやかな味に変身。新しい宮津の味が楽しめます。
漁師町ととまーとで「ショッピング」を楽しむ
宮津や丹後の美味しいものをセレクト「お土産もん大幸(だいこう)」
美味しい海の幸を存分に堪能したら、宮津や丹後のお土産を集めたショップでのお土産選びも旅行の醍醐味ですね。
「お土産もん大幸」には、宮津ちくわやへしこなど、地元ならではの特産品から可愛いパッケージのお菓子まで、さまざまな商品が揃っています。ちなみにお店で一番人気の商品は、竹中罐詰のオイルサーディンだそうですよ。
天橋立観光ついでに気軽に訪れることができて、丹後の海の幸や地元グルメを気軽に堪能できる場所、それが「漁師町ととまーと」です。美味しいものがたくさんあるので、訪れる際はぜひ、お腹をすかせて来てくださいね。
〈データ〉
漁師町 ととまーと
京都府宮津市漁師1775-25
交通アクセス:京都縦貫自動車道「宮津天橋立IC」から車で約5分
TEL:0772-25-9006
営業時間:10:00〜18:00(L.O.17:00)※現在は時短のため~15:00
定休日:火曜日
ホームページ https://totomart-miyazu.com