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夏の宮津湾一面を染め上げる祈りの火「宮津燈籠流し花火大会」

宮津市広報

夏が背中を見せ始める8月16日。宮津市では、その別れを惜しむかのように、盛大なる火の祭典「宮津燈籠流し花火大会」が行われます。黒く溶け合った海と空に、無数の灯火ともしびがたゆたい、大輪の花火が打ち上がる……。その幻想的な光景は、地元の人々の祈りとともに歴史を重ね、今では来場者7万8千人を数える宮津市最大の伝統行事となりました。

宮津燈籠流し花火大会の始まり

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そもそもの始まりは、今から遡ること約400年前。細川藤孝(幽斎)が入国して海辺に城を築き、宮津の町の原型となる城下町が形づくられました。城下に暮らす人々は、お盆に迎えた祖先の霊を再び極楽浄土へ送り出す際、供物にささやかな灯火を添えて海へ流したそうで、これが現在に続く燈籠流しの起源と伝えられています。
一方、花火大会が始まったのは、大正13(1924)年のこと。鉄道(旧国鉄宮津線)が開通したことを記念して打ち上げた花火が、その起こりとなりました。

海に流される祈り…「精霊船」と「追っ掛け燈籠」

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現在、宮津燈籠流し花火大会では、2種類の祈りが宮津湾に流されます。一つ目は初盆を迎えた家から流される精霊船。モールや造花で飾られた小型の船で、ベースとなる船に各戸で追加の飾り付けやお供えをして会場まで運ばれます。華やかな飾りの一つひとつに、故人への感謝や思いが込められているんですね。

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当日、精霊船は二連もしくは三連一組で小型船に曳かれ宮津湾へ。そして海上で火が点けられ、炎とともに浄土へ向かいます。この炎は勢いよく燃えれば燃えるほど、供養になるといわれています。

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そんな精霊船を囲むのが、ロウソクの炎が揺らめく紅白の追っ掛け燈籠です。祖先の霊を敬い再び浄土へ送るもので、流される数はなんと約1万個。これほどの燈籠を流すのは日本最大規模だといわれています。
精霊船と追っ掛け燈籠が流され始めるのは午後7時。花火が打ち上げられる午後7時30分までの30分間は、今は亡き大切な人を思う温かくも切ない光が、列となって水面を進む儚く美しい光景を見ることができます。

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追っ掛け燈籠は、藁で編んだ直径30cm程の桟俵さんだわらの上に、竹ひごで骨組みをこしらえ、紅白どちらかの紙で覆う、昔ながらの方法で作られています。制作をしているのは地元の方々。宮津市内の日ヶ谷営農組合と上宮津地域会議の方が桟俵を、日ヶ谷地区の方と上宮津地区竹ひご有志の会が竹ひごを担当されています。また、流された燈籠は、実行委員会メンバーや市民ボランティア、近隣の漁業関係者など、これまた地元の方々によって回収されているそうです。

宮津湾を埋め尽くす花火と灯火の共演

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そんな歴史ある慣わしに彩りを添えるのが、船上から打ち上げられる約3千発もの花火です。午後7時30分になると、厳かな光が宮津湾に浮かぶ中、極楽を思わせる五彩七彩の花火が夜空に弾け、一面が華やかに一変します。プログラムは、船上からの打ち上げという特徴を活かした構成になっており、特に短時間に連続して点火されるスターマインは圧巻。斜めに打ち上げられた花火が水面に反射して宮津湾一帯を埋め尽くす、大パノラマを楽しむことができます。

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美しい光景もさることながら、この打ち上げ花火でぜひとも味わいたいのが「音」です。宮津の町は北の宮津湾以外、三方が山に囲まれているため、音が反響して会場全体を包み込みます。お腹の底に響くような迫力ある重低音は、開けた都会の花火大会では絶対に味わえない魅力の一つです。

誰でも参加できる盆踊り大会

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打ち上げ花火が終わると、1日の締めくくりに盆踊り大会が開催されます。
「二度と行こまい丹後の宮津。縞の財布が空となる♪」
かつて北前船の寄港地であった宮津の賑わいを伝える「宮津おどり」に合わせて、市民も帰省客も観光客も、老いも若きも皆で輪になって和を願って……令和元年には約300人の人が参加しました。祖先を楽しく送り出すこのひと時は、夜もすっかり更けた午後9時30分まで続きます。

次世代に繋げていきたい伝統の灯火

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宮津燈籠流し花火大会は、単なる花火大会ではなく、「お盆」本来の意味合いを強く持つ、文化的・歴史的な伝統行事です。いつの時代も、多くの人が祈りを込め、支えてきたこの伝統の灯火。これからも絶やすことなく灯し続けたいですね。

<データ>
宮津燈籠流し花火大会
開催日:例年8月16日
開催時間:19:00〜 燈籠流し・精霊船流し
19:30〜20:20頃 花火打ち上げ
花火終了後~21:30 盆踊り大会
メイン会場:島崎公園(宮津市島崎)
TEL:宮津燈籠流し花火大会実行委員会 事務局
0772-45-1625(宮津市事務局)、0772-22-5131(宮津商工会議所事務局)
※詳しくは公式ホームページをご確認ください。

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