ひと月半限定の冬の味覚〜美味しさが詰まったコッペガニ〜
冬の味覚の王様として名高い「カニ」。日本海に面した山陰・北陸地方で、「松葉ガニ(山陰)」や「越前ガニ(北陸)」と呼ばれているのは「ズワイガニ」です。冬になるとこのズワイガニを目当てに、たくさんの観光客が現地を訪れますが、宮津もまた例外ではありません。
カニというと、身がぎっしりと詰まったオスのイメージが強いですが、日本海側ではお腹にたっぷりの卵を抱えたメスのズワイガニを楽しみに待つ人がたくさんいます。今回注目したいのはそんなメスのカニ「コッペガニ」。オスにはない美味しさの秘密に迫ります。
逃したくない! コッペガニを楽しめるのは約1.5か月
宮津では11月6日のカニ漁解禁を期に、舞鶴港・間人港・網野港・浜坂港で水揚げされたズワイガニがそれぞれ競りにかけられます。ズワイガニはオスとメスの違いや地域によって様々な呼び方をされますが、ここ宮津では主にオスを「松葉ガニ」、メスを「コッペガニ」や「セコガニ」と呼んで親しまれています。
コッペガニの大きさはオスの松葉ガニに比べると半分ほどですが、体内にある卵巣の内子と外側の卵の部分である外子があるのが特徴。
なんといってもカニのお母さんであるメスは、資源保護のため漁期が11月6日から12月20日頃までの約1.5か月程に決められており、とれたての新鮮なコッペガニが出回るのはこの短い期間だけなんです。
コッペガニの魅力はココ!「内子」と「外子」
松葉ガニに比べると小さい分、食べるところも少なそう……とちょっと残念な気持ちになってしまいそうですが、そこは安心してください。コッペガニはカニの身と味噌に加え「内子」と「外子」の4つの美味しさを楽しめます。
まずはコッペガニの外側から見える「外子」の部分。“ふんどし”と呼ばれる部分からぎっしり溢れている卵に期待感が高まります。プチプチ、シャキシャキとした食感が特徴で、そのまま食べても美味しいのですが、身から外してほぐしてほかほかご飯や酢飯にのせるのが地元民のおすすめ。ちなみに、外子が詰まっている“ふんどし”と呼ばれる部分は、オスは三角でメスが丸い形をしています。
そして甲羅の中にある「内子」と呼ばれる赤い卵巣部分。ボイルすると綺麗なオレンジ色に変わります。味はコクがあり、カニ味噌とあえて食べると濃厚で絶品。オスのズワイガニでは味わえない珍味として好む人も多い部分です。
地元で楽しむコッペガニの食べ方
コッペガニが出回る季節、家庭での食べ方はボイルやお味噌汁に入れるのが定番。内子や外子、カニ味噌だけを食べて、食べにくい足はお味噌汁に入れたり、なんと丸ごと味噌汁に入れるなど地元ならではの贅沢使いも。カニから出る旨味がたまらない、最高の海鮮味噌汁ですね。
また、お店などで期間限定で提供される「コッペ丼」もこの時期の楽しみのひとつ。店舗によってメニュー名はいろいろですが、丁寧にほぐされた身を余すことなく堪能できるのは、お店ならではの楽しみ方。カニをむきながら食べるのも楽しいでのすが、たまには“食す”ことだけに集中して堪能できるのも贅沢な話です。
これからも食べ続けたいコッペガニ
コッペガニは近年値段が高騰(2019年度に1000円程だったものが2020年には約2〜3倍近く)してきており、その美味しさをお取り寄せで楽しむ人も増えてきましたが、昔は300円から400円ほどでリーズナブルに購入できる食材でした。
宮津では「松葉」は贈答用、「コッペ」は家庭用という認識で、冬になるとコッペガニを近所の人から頂いたり、子どもがおやつ代わりに食べていたりしていたそうです。時代とともに価格は高騰してしまい、今では羨ましく感じてしまいますが、それほど市民にとって身近にあったコッペガニ。海の恵みに感謝しながら、宮津で冬の味覚・コッペガニを楽しみましょう。
<宮津でコッペガニがたべられるお店>
海味鮮 やま鮮
宮津市新浜1988 ぴんと館1F
TEL:090-1228-3737
営業時間:7:00~15:00(14:30 L.O)
定休日:水曜日
松和物産
宮津市文珠640-59
TEL:0772-22-2451
営業時間:平日 10:30~18:00頃(17:00 L.O)/土日祝 10:30~19:30頃(18:30 L.O)
定休日:不定休
瑞松苑
宮津市小松10
TEL:0772-27-1488
営業時間:11:00~14:00(お土産は9:00~16:00まで)
定休日:なし
※3月末までのご提供 ただし、在庫がなくなり次第終了。
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