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夜空に咲く荘厳な花…海上を鮮やかに染め上げる「天橋立ふゆ花火」

夜風がぐっと涼しくなり始める頃、日本三景の一つ・天橋立の夜を美しい花火が彩ります。真夏の花火も良いけれど、この季節の花火もまた風情たっぷり。宮津の風物詩「天橋立ふゆ花火」の魅力をご紹介します。

ドラマチックな花火が知らせる、冬の足音

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天橋立の北側に位置する府中地区で、毎年10月の最終日曜日に行われる花火大会「天橋立ふゆ花火」。真夏ではないこの時期に開催される珍しい花火大会として人気で、地元はもちろん京阪神からの多くの観客で賑わいます。宮津名物であるカニの11月の解禁を前に、およそ2000発の色とりどりの花火が、一足早く冬の到来を知らせる風物詩です。

「天橋立ふゆ花火」が初めて開催されたのは2005(平成17)年。天橋立を眼下に望む成相山の中腹に位置する西国巡礼第28番の札所・成相寺なりあいじの開山1300年を盛大に祝う記念イベントとして開催されました。当初は一度限りの開催の予定でしたが、地元から「また見たい」との声が多数寄せられ翌年以降も継続することに。今では宮津に欠かせないイベントとして愛されています。

大迫力&優美な景色に引き込まれる!地元の情熱で打ち上げる花火

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色も形も様々な花火が次々に上がりますが、中でも見逃せない見所の一つが、枝垂れ花火。成相寺の観音様やその後光を彷彿とさせる、煌めきながら落ちる火花は荘厳です。枝垂れ花火が連続して上がり何段にも重なって見える圧巻の様子は、まさに別世界の景色のような美しさ。そしてもう一つ注目したいポイントが、序盤に上がる蟹の形をした花火! 宮津の名物が夜空にドーンと現れる「天橋立ふゆ花火」ならではの見所です。数発しか打ち上げられないので、見つけられるとラッキーです。

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オリジナリティを感じられる感動的な花火を上げたいと毎年奮闘しているのは、府中の住人たちで構成される「日本三景天橋立ふゆ花火 実行委員会」。メンバーの中には、自ら花火の準備や構成作りに携わりたいという思いから、花火師の資格を取得した人たちまでいるほど。地元の人たちによる情熱が、「天橋立ふゆ花火」を一層輝かせています。

見る場所によって表情が変わる!オススメの楽しみ方は?

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「天橋立ふゆ花火」では、天橋立の西側に位置する阿蘇海上に停泊した2隻の台船から花火が打ち上がります。日が暮れてくると出合える“薄暮の空と天橋立をバックに打ち上げを待つ台船”というこの日ならではの景色も必見ですよ。

オススメの観覧スポットは主に2箇所。1つ目は、阿蘇海の浜沿いにある観覧エリア。打ち上げ場所との距離が近く、目の前に上がる大輪の花火が大迫力で楽しめるのが魅力です。ドーンという爆発音と、それが海面にぶつかってビリビリと“海が鳴る”音、さらにはその振動が背後にそびえる山にもぶつかり反響する音がなどが合わさって、花火のダイナミックさをより一層際立たせてくれます。まさに花火のエネルギーを全身で感じられる、特等席のようなエリアです。

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観覧区域は、当日の夕方に開場。模擬店や地元アーティストによるライブステージ、天橋立音頭の披露など様々な催しを楽しみながら、打ち上げまでの待ち遠しい時間を過ごすことができます。

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2つ目は、天橋立を一望できる傘松公園。当日は花火終了までケーブルカーが動いており、海抜約130mの高さから花火を見下ろす贅沢な景色を眺めることができますよ。
思い思いの場所で、感動を味わってみてくださいね。

<データ>
天橋立ふゆ花火
開催日:毎年10月最終日曜日
開催場所:阿蘇海府中側
交通アクセス:京丹後鉄道「天橋立」駅下車、丹後海陸交通汽船「宮津」桟橋から「一の宮」桟橋下船すぐ/京都縦貫自動車道「天橋立IC」から車で約15分 ※メイン会場エリアへのアクセス
問い合わせ:0772-22-8030(天橋立観光協会)