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宮津ゆかりの3武将【一色氏・細川氏・京極氏】どんな武将かご存知?

宮津には歴史上の重要人物や歴史的な出来事に関わりの深いスポットが盛りだくさん! 今回は室町時代から江戸時代にかけて宮津で活躍した3武将・一色氏、細川氏、京極氏にフォーカスします。
上の3つの家紋は、それら3武将の家紋です。宮津にお住いの方ならどこかで一度はどこかでご覧になったこともあるかもしれませんね。皆さん、どれがどの武将の家紋かわかりますか?答えは記事の最後をご覧ください。
それでは時代別に各武将と宮津のゆかりをご紹介していきます。

【一色氏】将軍・足利義満をエスコート&雪舟『天橋立図』に描かれた府中の街並みを整備

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室町時代の頃、丹後には足利氏に支えられていた禅宗勢力が定着していました。智恩寺もその一つであり、室町幕府3代将軍・足利義満は29歳から50歳までの間に6度も智恩寺に参詣しています。
義満より丹後国を拝領し、丹後一色氏の祖となった一色満範みつのりは、文珠山の山上に小さな休憩所をつくり、義満をエスコート。義満はそこから見える天橋立の絶景に感動し、「宇宙の玄妙」と称えたというエピソードが残っています。

満範の孫・一色義範(一色氏二代目丹後守護)の子息にあたる一色義直(四代目丹後守護)は、応仁・文明の乱の後、丹後の守護所「府中」を整備しました。「府中」の当時の状況は雪舟が描いた国宝『天橋立図』によって知ることができます。
籠神社、大谷寺、今熊野、慈光寺、安国寺、宝林寺、国分寺が描かれ、北野、今熊野、阿弥陀ヶ峰、愛宕などの名はいずれも京都にある地名や山の名で府中全体を小京都に模して整備したと考えられています。
なお、『天橋立図』の写真パネルが京都府立丹後郷土資料館に常設展示されているので現地へ行かれた方はぜひご覧ください。

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『天橋立図』に5つの堂舎、土塀などが描かれている慈光寺は丹後守護・一色満範の法号「慈光寺殿」を寺号とする一色氏の氏寺で、寺内には満範の位牌が安置されています。
もともと慈光寺は府中にありましたが、永正の兵火で焼失したのち、江尻の地に移され現在にいたっています。
『天橋立図』に描かれた慈光寺の土塀は、府中小学校の土塀のモチーフにも。名残を感じることができるスポットなのでこちらも要チェック!

【細川氏】織田信長の命により明智光秀と共に宮津城を築城

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室町幕府15代将軍・足利義昭や織田信長の家臣として仕えた細川藤孝は、織田信長より丹後を拝領し、宮津に新たな居城として宮津城を構えます。
築城には城作りの名人と言われた明智光秀も深く関わっていたとされており、海に面した地に城を築く技術など、光秀が近江国(滋賀県)の琵琶湖畔に築いた大溝城や坂本城を思い起こさせますね。また、光秀は藤孝の息子である細川忠興の妻・玉子(ガラシャ:キリスト教の洗礼名)の父でもありました。

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宮津カトリック教会の裏手(市役所横)にはガラシャ像があり、宮津城の方向を眺め細川家と宮津市民の幸せが未来永劫続くことを祈る姿を表現しています。ガラシャの時代に翻弄された人生と壮絶な最期は、遠くヨーロッパまで知れ渡り、海外ではオペラの題材になるほど有名な戦国のお姫様です。

★ガラシャの生涯についての記事はコチラ

★細川時代の宮津城についての記事はコチラ

★細川氏と一色氏ゆかりの盛林寺についての記事はコチラ

【京極氏】初代宮津藩主&宮津城を再建

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正保宮津城絵図案(宮津市教育委員会)

関ヶ原の合戦の後、丹後を治めたのが京極高知たかともです。高知の死後、領地は3人の子に分けられ、嫡男の高広が宮津領を相続し、政庁・居城として、高知が再建していた宮津城を改造・拡張。宮津城は13年の歳月をかけて寛永19年(1636)に完成し、明治の廃城令によって廃城となるまでほとんど縄張を変えずに存続しました。現在でもごくわずかではありますが、その名残を伝えています。

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かつて宮津城三ノ丸南西部にあった太鼓門とされる門が、宮津城城壁復元事業の一環で宮津小学校の正門として復活。

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宮津城の外堀として利用されていた大手川沿いには、城壁風の白壁が造られています。

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海岸部に沿って宮津城の石垣が築かれており、明治・大正期の様子が古写真に残っています。宮津警察署のすぐ目の前にある大きなタモの木(写真)は、海岸線沿いの石垣の上に立つ姿が古写真に写り、木の根元には埋まっている石垣の上部が今も見えているんです!
また、後の調査でこの位置が京極時代の宮津城の二の丸東北隅にあたることが判明しました。

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最後に、ご紹介した3武将を時系列でまとめてみました。宮津の礎を築いた3武将にまつわるスポットはいずれも地元の方にとっては馴染み深いものばかりだったかもしれませんね。
日常の風景に壮大な歴史ロマンが潜んでいるのが天橋立を擁する宮津の魅力です。宮津の3武将にゆかり深いスポットをぜひ訪ねてみてください。

《冒頭クイズの答え》

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左から一色(五ツ木瓜一引紋)、細川(九曜紋)、京極(平四つ目結)
※一色氏の家紋は他、五七の桐紋、丸に二つ引紋、丸に一引紋を使用しています。

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