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【宮津の方言】あれ? 伝わらない?? これって宮津弁やったんや…

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コミュニケーションを豊かにしてくれる日常会話。挨拶を交わしたり、お天気の話をするだけでも、嬉しい気持ちになることがありますよね。
だけど地元を離れてみたら意味が通じなかったり、話が噛み合わなくなって「あ、これ方言やったんや……」ってことに気付いた経験はありませんか?
普通に話しているだけなのに、ほかの地域に行くと意味が伝わらなくなるから“方言”って面白い! そんなこんなで、日常的に使っている『宮津弁』にちょっと注目してみました。

■ぼじる【bojiru】

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宮津といえば美味しい海鮮が自慢のひとつ。その中でも冬の味覚の代名詞「カニ」を食する時などに使う方言。カニを片手に「ぼじれる」と言ったら、それは「カニの足をとる」こと。誰かにカニの上手な食べ方を聞かれた時は、美味しいカニを食べ慣れた宮津民らしく、余裕の表情でぼじる方法を伝授したいですね。

■ぼる【boru】

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果実などを捥(も)ぐ行為を指す方言。この方言は、みかんや柿の収穫が行われる秋に使われることが多いのではないでしょうか? 宮津では甘さと酸味のバランスが抜群の「由良みかん」が10月頃に解禁日を迎えますが、「みかん狩り」の最中に“ぼる”という言葉を使って会話をしているところをチラチラと見られたら、それはもしかしたら方言が気になっている地方の方かも…。「みかんを“ぼる”っていいません?」なんて言いながら、会話に花を咲かせたいですね。

■ウラ【ura】

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授業中や車に乗り込む時などに使われる方言。「プリントをうらに回してください」や「車のうらに乗り」など“後ろ”を指す時に使われます。こう言われたら宮津ではプリントを後ろの席に回したり、車の後部座席に乗り込みますが、宮津以外では紙の裏面や、車に潜って車体の底を確認されるなど、思ってもいない勘違いがおこるかもしれないくらい“微妙”にニュアンスの違いを持つ方言です。

■えらい【erai】

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宮津では主に体調が悪い時や、運動などで息があがった時に使われる方言。同じ京都でも京言葉では「大層・ずいぶん」などの意味で使われています。関西では体調不良の時は「しんどい」が馴染み深いですが、中国地方や甲信、東海などでも「えらい」を使用するため、比較的意味が通じやすいのではないでしょうか。しかし「えらい=しんどい」の方言に馴染みがない人に、体調不良の時にこの方言を使うと、軽く混乱させる場合があるので注意が必要です。

■ピリピリ【piripiri】

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傘がないと困るほどではない、雨の降り始めに使われる方言。同じ雨の状況を“パラパラ”や“ポツポツ”と表現する地域が多く、“ピリピリ”は皮膚や粘膜に感じる刺激などの表現で使用されていることが多い。「雨がピリピリしてきた」というと、一瞬相手の頭に「?」を浮かべる確率が高い方言のひとつです。

■~だで【dade】

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「~だから」という意味で使われます。◯◯だから◯◯だ。のように、日常的に何気ない会話の中で、比較的耳にすることが多い方言のひとつといえます。

■しんきい【shinkii】

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「やりにくい」や「じれったい」など、“もどかしい気持ち”を表す時に使われる方言。関西では「辛気臭(しんきくさ)い」と言う地域が多いですが、関東方面などでは意味が通じないことも。しんきい気持ちを伝えたいのに伝わらない! そんなもどかしい気持ちの時に大声で叫びたくなる方言です。

■こおじゃげえ【kojage】

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宮津では「偉そう」や「生意気」などの態度に対して使われる方言。素人なのに、学者や評論家気取りで偉そうに語り出した場合など、「こおじゃげえなこと言うとるな…」と言われてしまうかもしれません。もし、飲み会の席などでこういう場面に出会ったら、そっと笑顔でお話を聞いてあげるのも、大人の優しさかもしれませんね。

■あんばよお【anbayo】

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「様子」や「具合」の良い状態を表す方言で、全国的には「塩梅(あんばい)よく」と表現されています。片付け・味付け・仕事の調整など、日常的に使われる場面があるが、若者よりも人生経験豊富な大人世代が使うことの方が多いのではないでしょうか。「あんばよお~しといてな」と言われると、“上手に”や“うまく”など、良き具合を期待されているので腕の見せどころですね。

■しょしゃ【shosha】

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「振る舞い」や「進め方」などの“行い”を表す方言で「所作(しょさ)」のことをいいます。「この前の会議のしょしゃやけど」と言われたら会議の進め方について言われているのですが、地域によっては「しょしゃ」の発音に馴染みが薄いので、そんな時はまず「しょしゃ」についての意味の擦り合わせをするのも楽しいかもしれませんね!

宮津弁はいかがでしたか? 「なんでわざわざこの言葉を取り上げたの?」って思われたら、それはあなたが宮津弁マスターだからこその疑問です。

宮津は京都府でありながら、京言葉とはまた違う個性をもった方言であり、なおかつ“丹後弁”とまとめられがちな方言ですが、ここはあえて“宮津弁”と主張したい!
宮津の土地で生まれた方言がもつ、風情や人情深さが滲み出るような魅力ある“宮津弁”。
日々新しい言葉が生まれる今日ですが、自分が育った土地の言葉を大切な個性のひとつとして使い続けていきたいですね。

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